(株)良品計画の回答要旨

20101217日、私たち「STOP!! 無印良品in 東京」実行委員会は、
豊島区の(株)良品計画本社にて、別紙の申入れ書と、
賛同者の署名、メッセージを手渡し、これに対する返答を求めました。
同社側は、企画部武内氏以下3名が対応し、1時間ほどの話し合いが行われました。
以下は、申入れ書の質問に対する、回答の要旨です。


Q1.御社は2010年12月1日付ニュースリリースにおいて、同年4月12日付ニュースリリース発表後の「具体的調査の結果」、「経済的理由により」イスラエル出店計画の中止を決定したとされております。それでは4月12日付リリース発表における当初計画は、何らの具体的調査に基づかず決定されたものと理解してよろしいのでしょうか。もし何らかの調査に基づいて当初計画が下されたのだとすれば、今回12月1日付のリリースにおける「具体的調査」とどのような違いがあるのか、ご説明頂きたく思います。

A1約半年検討した上、経済的理由によって出店計画を中止しました。
     皆様からのご意見も寄せられていたので、決定後、すぐに発表しました。
     出店とライセンス供与はセットの関係にあり、両方とも計画を中止します。

Q2.御社は4月12日付ニュースリリースにおいては、「2006年現在、1,378億US$だった」イスラエルのGDPが、「2008年秋以降の世界経済不況の影響下でもわずかながら成長しており、2010年は復調の兆しが見えることからも出店の価値は十分あると判断」されたと発表されております。この判断が覆ったのは、当初の予想に反しイスラエル経済が2010年中に復調を見なかったとの御社の分析に基づくものと理解して良いのでしょうか。判断の根拠となった情報を明らかにして頂ければと思います。
 
A2複合的な経営的判断であるという以上のことは申し上げられません。
    決定/判断に対する直接的なつながりはありませんが、
    消費者の方々の意見も拝見して、大変勉強にもなりました。
    今後のビジネスの参考にもしていきたいと思います。

Q3.前項の内容の通りであるならば、イスラエル経済が今後目覚ましく復調を遂げた場合、再度出店の可否について検討を行なう余地が残されていると考えて良いのでしょうか。

A3中止の判断を出したばかりですので、今回の出店中止の判断のもとになった経済状況がすぐに好転するとは考えていません。皆さまはじめ、いろいろな方から勉強をさせていただく中で、「ぜひ一緒に支援活動をやっていきましょう」というお話もいただいていますので、そういったことも含めて、今後の経済活動を考えていくということです。 私たちは、世界の消費者、生活者に貢献していきたいと考えておりますので、それに合致するようなビジネスがあれば、今後も検討してまいります。

Q4.私たちは、イスラエルがパレスチナを占領しパレスチナ人の人権侵害を続けており、ヨルダン川西岸地区における「分離壁」建設に関し国際司法裁判所から違法判決を受けているという事実から、イスラエル企業との日本企業の提携やイスラエルへの資本投下は、これらの行為を黙認し経済的に支えるものとして、認め難いと考えております。当初イスラエル出店の決定をなされた際、御社はこのようなイスラエルの占領政策に対し、また御社の経済行為がそれに対して与える影響について、どのようにお考えになられたのでしょうか。

A4計画を発表していた時点でもある程度調査をし、指摘されているような点についても、(ニュースなどで)ある程度把握していました。しかしながら、こういった、皆さんからいただいたような詳細な情報については、知りませんでした。私たちの事業は、普通の人に使っていただけるものを広めていくということなので、それによってどのような影響が出るかという点については、今回勉強になりました。それぞれの国家の政策に対するコメントは、ありません。 

Q5.イスラエルへの出店の倫理的問題につき御社がどのように判断されたにせよ、御社が2010年4月12日付ニュースリリースにある内容に関して発表を行なえば、(a)日本の消費者の中から反対の声が挙がるという可能性については、まったく検討されなかったと理解して良いのでしょうか。(b)あるいは同可能性について検討はされたものの、無視することが可能だと判断されたということなのでしょうか。 

A5消費者の皆様から反対の声が上がる可能性というのは、正直なところ想定していませんでした。 

Q6.私たちは御社が環境・社会への取り組みを積極的に行ない、御社の作る商品のすべてに環境への配慮が行き届いていることに強く共感し、同時にイスラエルの占領政策によってパレスチナの環境が破壊されていることに深く心を痛めるものです。さて、前項のご回答が (a)であった場合、御社が「環境」を重視する企業であるとの私たち消費者の理解は、残念ながら間違いであったということになります。そのような理解でよろしいのでしょうか。 

A6環境に関する無印良品のコンセプトはありますが、受け取り方はそれぞれであり、固定観念を植え付けようとするものではありません。

Q7.あるいはご回答が(b)であった場合、それは御社の掲げる「『環境』『社会』 の側面から目指すべき5つの原則」の一つである「無印良品と関わる全ての人々とのコミュニケーションを充実させます」という理念とは著しく矛盾するように 思えますが、この点につきどのようにお考えになられるでしょうか。

A7A6と同じです。
  
Q8.御社もご存知の通り、私たちはウェブサイト(http://stopmujit.blogspot.com/) 上でイスラエル出店に関し反対のアピールを行ない、御社に対するメッセージの送付を呼びかけました。多くの方が私たちのサイト上の送信フォームを使い、御 社へメッセージを送りましたが、御社からはメッセージの受領確認さえなされませんでした。これは、私たちのサイト上の送信フォームを利用したメッセージは 御社に届いていなかったということなのでしょうか。それとも届いていながら、受領確認メールを返信頂けなかったということになるのでしょうか。この点につ き、確認をさせて頂ければと思います。

A8そちらからのメールをすべて受け取っているかどうかは分からないのですが、
      届いている分についてはすべて拝見しています。基本的には、すべての方々に回答するのが正しいのですが。純粋なご意見のメールに対しては、回答できない場合もあります。ただ、ご質問に対しては回答をする方針です。 「コミュニケーションの充実」という点では、私たちは商品の開発と販売を業務としていますので、その中で、みなさまからの希望を伺って、物作りに結びつけることが、コミュニケーションだと考えています。

Q9. 私たちの呼びかけに答えて送付された(と私たちが考えている)メッセージは、了解のあったものついてはウェブ上で公開致しました。当該ホームページに対 し、御社からアクセスいただいたことは承知しておりますので、前項のお答えの如何にかかわらず、私たちのメッセージの内容につき御社はご確認されていたこ とになります。しかし残念ながら、私たちのメッセージに対する応答は、御社からは一切なされませんでした。このような御社の姿勢も「無印良品と関わる全て の人々とのコミュニケーションを充実させます」という理念と矛盾するものであると私たちは考えております。この点につき御社はいかがお考えになられるで しょうか。

A9A8と同じです。

その他.  
     今後(ボイコットが関係するような事案が生じた際)も、当社の判断には直接には影響しません。我々としては(申入れ書にあるような問題に対して)、違った形で関わりたいと考えています。社会との関係、CSR(企業の社会的な責任)上漏れている事柄があれば、加えることも検討していきたいと考えております。(今回の決定過程について)株主の側から法律に則った問い合わせがあれば、対応します。



文責:「STOP!! 無印良品in 東京」実行委員会 2010年12月17日