2010年12月7日火曜日

無印良品のイスラエル出店中止についての声明

(株)良品計画による、イスラエル出店中止発表を受けて、私たち「STOP!! 無印良品 in 東京 実行委員会」一同からの声明を発表します。なお、私たちは来週にも、同社への申し入れを行い、そこでの応答を踏まえた報告集会または記者会見を行います。それまで、状況はウェブサイトでも逐次、報告する予定です。今後の動きに、引き続きご注目ください。



出店中止の実質的勝利を踏まえ、
真摯な応答を引き続き求めます

2010年12月1日、株式会社良品計画は、プレスリリース*を通して、
イスラエルへの出店計画を取りやめることを発表しました。
イスラエルによる、パレスチナの違法な占領に反対する立場から、
出店の中止を求めてきた私たちは、良品計画の決定を歓迎します。

その一方で、今回の決定の問題性についても指摘する必要があります。
同社のリリースでは、中止の決定は「経済的な理由」によるとされます。
しかしここでは、企業の守るべき倫理と、市民社会との対話の必要性が、
完全に無視されています。

良品計画は、みずから目標として『地球と生きる5原則』**を掲げています。
この中には、「全ての活動について、国内外法令を遵守します」
「良品計画と関わるすべての人々とのコミュニケーションを充実させます」
という原則があります。

この間、多くの人びとが私たちのキャンペーンに応じ、
それぞれの連絡先を付して、良品計画へのメッセージを送ってきました。
しかし東京でのキャンペーン開始以降、良品計画側からは、回答がありませんでした。
一連の意思表示を無視することは、良品計画の理念にも反するのではないでしょうか。
良品計画は『地球と生きる5原則』の立場からも、あらためて、
市民社会に応答すべき義務があると、私たちは訴えます。

また、純粋に「経済的理由」による決定であるとされていることも、看過できません。
論理上、経済的事情が好転すれば、
再び出店が計画される余地が残ってしまっており、
それでは反対を表明した私たち市民の意見は全く生かされていないことになります。
良品計画は、
この決定が消費者および市民社会からの強い要望を踏まえたものであることを明記し、
今後の指針とするべきです。

経済・倫理的側面について考えるなら、
良品計画は、ライセンス計画を締結するにあたって、
同社の経済行動が現地で与える経済的影響について考慮すべきでした。
たとえば、イスラエルに出店して「無印良品」が現地の人々に受け入れられ、
経済に寄与すれば、
そのぶん関税や法人税などを通じてイスラエル政府の資金調達にも
寄与するという構造があります。

そのイスラエル政府は、
ヨルダン川西岸地域での「アパルトヘイト・ウォール」と呼ばれる分離壁の建設を行なっており、
国際司法裁判所からも違法判決を受けています。
占領の違法性を指摘する数々の国連決議もありますが、
イスラエルはそれらを無視し続けています。

『地球と生きる5原則』に言う「法令の遵守」とは、
単に一企業として法を守ればよいということではなく、
地球上で起こっている不正と不正義から目をそらさず、
毅然とした態度を示すことでもあるはずです。


以上のような問題点はあるものの、今回の出店中止は、
「日本における対イスラエルBDS(ボイコット・投資引き揚げ・経済制裁)キャンペーンの
初の歴史的勝利」***として受け止めたいと、私たちは考えます。
言葉の上ではどうあれ、私たちはイスラエルへの投資を中止させることができました。

最後に、今回の活動に関心をもち、これを広めてくださった多くの方々に、
感謝とともに呼びかけます。
イスラエルが占領政策を放棄し、
パレスチナの人々との共存を本気で目指すようになるまで、
イスラエルに対するボイコット運動を続けましょう。
また、ほかの企業が同じような投資を行なおうとするならば、
その問題性を指摘し、中止すべきであることを、断固として伝えていきましょう。

2010年12月7日
STOP!! 無印良品 in 東京 実行委員会一同




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